
BUFFALO製のリンクステーション(LinkStation)がつながらないトラブルが発生することがあります。共有フォルダーにアクセスできないのは全てのパソコンからなのか?それとも一部のパソコンだけなのかでも原因が違います。またLinkStationの設定画面にそもそもアクセスできないかでも違います。
一部のパソコンやOSだけで発生しているなら、個別の問題になります。
問題なのは、すべてのパソコンで「共有フォルダー」だけではなく、「設定画面」にアクセスできないケースです。
目次
LinkStationにつながらない主な原因
BUFFALO製リンクステーションにつながらない原因はネットワーク環境によって幾つか考えられますが、そのうち代表的なエラーは下記の7個です。
- クライアントPCの障害
- ハブの故障
- ルーターの故障
- ネットワークケーブルの断線
- リンクステーションの基盤不良
- RAID機能エラー
- リンクステーションの内蔵HDDの故障
リンクステーションの点滅警告
バッファローのリンクステーションにアクセスできなくなった場合、まず、最初に確認するのは、LinkStationの本体で点滅警告が出ていないかどうかを確認することです。
ハードディスクの障害やRAID障害が発生している場合、LinkStationのステータスランプがオレンジ色に点滅するケースがほとんどです。
点滅の長さや回数別に、障害原因と警告内容をユーザーに知らせます。
この点滅警告の長さには長い点滅と短い点滅の2種類が存在します。
- 長い点滅
- 短い点滅
「ピカーと1秒ぐらいの長い点滅」と「ピカッツとするだけの0.5秒ぐらいの短い点滅」の2種類です。
この長短2種類の組み合わせで、20種類ほどの点滅警告表示します。
スマホやデジカメで動画撮影可能な場合、この点滅している動画を撮影し、点滅警告を解析することが可能です。メーカーのサポートセンターに問い合わせする際に役立ちます。
但し、実際にリンクステーションでオレンジ色または赤色に点滅している場合、深刻なダメージを受けている可能性が高いため、撮影後は速やかに電源を切り、現状を維持することに努めることが大切です。
データを復旧したい場合、メーカーの修理に出してはいけません!内臓ハードディスクを交換された上、工場集荷状態に戻されて返却されます・・・。これは、BUFFALO製だけに限らず、IO-DATAでも、どこでも修理は内臓HDDの交換が基本になるからです。
ハードディスクが無事な場合でも、下手なサポート担当だと、ユーザーが意識しないうちに電話サポートなどで初期化作業を口頭で進められて、気が付いたらデータを手動消去していたなんて悲劇もあります。
そのためデータのバックアップがない場合、データ復旧業者に依頼し、1日も早く調査復旧した方が復旧率は高くなる可能性があります。
ユーザーの多くは電源のONとOFFを繰り返したりしてしまい、却ってRAID崩壊されたり状況を悪化させてしまうケースが多いので注意が必要です。
障害の切り分けはポイント
BUFFALOのリンクステーションにアクセスできなくなった場合、障害の切り分けはポイントは3つあります。
- パソコン(クライアントPC)側
- ネットワーク(ケーブル・ハブ・ルーター)側
- リンクステーション側
パソコン(クライアントPC)側に原因があるかどうかは、パソコンなどのクライアントが2台以上ある場合、全部のクライアントで障害が発生しているかどうかで切り分け可能です。
他のパソコンは平気なのに、1台だけLinkStationにアクセスできなくなった場合、リンクステーションの問題よりもパソコンそのものの何らかのエラーが疑われます。ファイヤーフォールなどのセキュリティソフトや設定で繋がらなくなるケースがあります。
クライアントPCのWindowsUpdateが自動更新になっている場合も注意が必要です。
というのも、ウィンドウズの自動更新後に、そのパソコンだけリンクステーションにアクセスできなくなったり、また新規購入し追加したパソコンだけが、リンクステーションにアクセスできないケースがあるからです。
このような場合、バッファローのリンクステーションの問題というよりも、OSやパソコン側の問題と言えます。
新規追加したパソコンだけアクセスできない原因
特定のパソコンだけアクセスできない問題の多くの原因は「SMBプロトコル」にある可能性があります。リンクステーションやテラステーション、アイオーデータ製のランディスクなどのNASでは、ほとんどのOSがLinuxを利用しています。
このようなNAS(ファイル・サーバー)では、ファイルやフォルダの共有を実行する際に「SMB」と言うプロトコルを使っています。「SMB」は、OSやウィンドウズアップデートの実行の有無などで変化します。この機能が有効化されていないとNASと情報伝達ができません。
SMBプロトコルとは何か
SMBプロトコルとは、Windowsのファイル共有のためのプロトコルです。
実は、このSMBプロトコルはWindowsのバージョンなどによって新旧様々なバリエーションがあります。下位互換性はあるのですが、SMB1.0と言う初期のバージョンについては、Microsoft(マイクロソフト)が利用の推奨をしなくなりました。そのため、今後のWindowsではSMB1.0と言う初期のバージョンについては削除される候補になるとのことです。
SMB1.0が原因の場合の解決法
通信エラーの原因がWindowsのコンポーネントからSMBの削除されていた場合、手動で原因を取り除く必要があります。コンポーネント有効化したければ問題なくつながるようになります。
コンポーネントの有効化
ウィンドウズPCのタスクバーの検索ボックスに「cont」と入力し「コントロールパネル」を起動します。
この「コントロールパネル」にプログラムが表示されます。
「Windows の機能の有効化または無効化」をクリックします。
「SMB 1.0/CIFSファイル共有のサポート」にチェックを入れ、「OK」ボタンをクリックします。この「SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート」が有効化すればリンクステーションやテラステーションにアクセスできない原因を解決できる可能性があります。
これで、クライアント側の設定は完了です。再起動後、再度、リンクステーションにアクセスできるかどうか確認してみください。
全パソコンからLinkStationにつながらない原因と対策方法
複数ある全パソコンからLinkStationにつながらなくなってしまった場合には、ネットワーク(ケーブル・ハブ・ルーター)側とリンクステーション側の2箇所に障害原因がある可能性が高まります。
この場合、何台かのパソコンからインターネット接続やメールの送受信を試すことで、ネットワーク(ケーブル・ハブ・ルーター)側に原因があるのかが、おおよそ判定可能です。
インターネット接続やメールの送受信は可能なのに、リンクステーションにつながらなくなってしまった場合は、ほぼリンクステーションのエラーと絞り込み出来ます。
一方、インターネット接続やメールの送受信までも不可能な場合、ルーターまたは室内回線上の断線などのトラブルが疑われます。
推定される障害発生個所と障害切り分け区分
障害切り分け | 推定される障害発生個所
|
---|---|
1台だけリンクステーションにアクセスできない | クライアントPC問題の可能性あり
|
複数ある全パソコンからリンクステーションにつながらなくない | ネットワーク(ケーブル・ハブ・ルーター)・リンクステーション側の可能性あり
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リンクステーションにアクセスできないがインターネット接続やメールの送受信は可能 | リンクステーショントラブルの可能性が極めて高い
|
リンクステーションにアクセスできない上にインターネット接続やメールの送受信も不可能 | ネットワーク(ケーブル・ハブ・ルーター)側の可能性あり |
データ復旧費用の相場
LinkStationのデータ復旧費用は通常のウィンドウズOSハードディスクのデータ復旧とは2つの点で違うことがあります。
- NAS
- RAID
LinkStationはNASと呼ばれるファイルサーバーです。このOSはLINUX系がほとんどで、ファイルシステムがWINDOWS系とは違います。
通常、WINDOWS系ではFAT32やNTFSがファイルシステムとして使われていますがLinkStationではext2が使用されています。
そのため、ハードディスクを取り外してWINDOWSパソコンにUSB接続しても物理的に故障していなければ認識はしますが、データにはアクセスできません。
また、一般家庭で使用されているLinkStationの多くは、内蔵ディスクが1台だけのものが多いのですが、2台または3台のHDDがある場合、RAID1.0,5が使用されている場合があります。
このようなNASとRAIDによってLinkStationのデータ復旧費用は通常のハードディスク1台の価格と比較して1.5倍から4倍ほどの料金となるケースがほとんどです。
例えば、物理障害でWINDOWSパソコンのハードディスク1台のデータ復旧費用の平均相場は30万円ほどですが、LinkStationの場合、物理的な故障が発生している場合、35万円から120万円ほどかかります。
- 内蔵ディスクが何台なのか?
- ハードディスクの1台あたりの最大容量
- 全ハードディスクの合計容量
- RAIDは何番なのか?
- 機械的に故障したハードディスクの台数が何台なのか?
主に、この5つの項目で価格が決まります。電話やメールでデータ復旧サービス業者に問い合わせをするときは、事前に上記5つを確認しておきましょう。
確認が取れていれば、概算見積額だけでも教えてくれる業者があります。
元々耐障害性を保つためのRAID機能ですが、データ復旧費用を考えた場合、特にRAID2以上はあまりおススメできる構成ではありません。
物理障害のデータ復旧費用の平均相場。
OSとハードディスク台数 | 物理障害(データ復旧費用の平均相場) |
---|---|
WINDOWSパソコン:1台 | 30万円 |
LinkStationなどのNAS | 35万円から120万円 |
3種類のリンクステーション
リンクステーションのモデルには内蔵HDDが1ドライブと2ドライブ、4ドライブの主に3種類が存在します。古くはリンクステーションは内蔵ハードディスクが1台でテラステーションが2台以上というイメージがありましたが、現在、内蔵ディスクの台数による棲み分けではないようです。
また各シリーズには超高速モデル・高速モデル・スタンダードの3つのタイプがあります。
特に、USB外付けハードディスクよりも約1.8倍高速なハイスピードモデルのLS-VLシリーズは500GBから4TBまで容量も豊富で人気のシリーズになりました。
但し、このLS-V2.0TL(2TB)に代表されるLS-VLは製造と販売が終了しました。
RAID1/0対応の超高速モデルに
LS520Dシリーズ
LS420DCシリーズ
RAIDなしのデュアルコアCPU搭載の
LS510Dシリーズ
LS410DCシリーズ
RAID5/10/1/0対応でデータ保護機能が高い
LS-QVL/R5シリーズ
LS-QVL/1Dシリーズ
RAID1/0対応の標準モデルには
LS220DCシリーズ
LS-WVL/RFシリーズ
LS-WSXL/R1シリーズ
内蔵ディスクが1台のスタンダードモデルには
LS210DCシリーズ
尚、過去のLS210Dシリーズ(内蔵HDD1台の標準モデル)には下記のような型番がある
LS210D0401/4TB
LS210D0301/3TB
LS210D0201/2TB
LS210D0101/1TB
小型清音タイプのリンクステショーンにはSSD内蔵モデルのLS-WSXS240L/R1
高速2ドライブモデルのRAID1/0対応タイプには
LS220DNBシリーズ
LS220DBシリーズ
高速1ドライブモデルには
LS210DNBシリーズ
USB外付けハードディスクよりも約1.8倍高速なハイスピードモデルにはLS-VLシリーズがあります。家の外からでも便利に使えると、かなり一般家庭にも復旧したネットワーク対応HDDです。
既に下記のモデルは製造および販売が終了していますが、NASが一般家庭にも普及した人気のシリーズでした。
LS-V4.0TLJ
LS-V3.0TLJ
LS-V2.0TLJ
LS-V2.0TL
LS-V1.5TL
LS-V1.0TLJ
LS-V1.0TL
LS-V500L
人気が高かったため、販売台数も多いのですが、故障台数も年々増えています。特に購入から4年以上経過している場合、故障率が高くなるので、まだ正常稼働しているうちにデータのバックアップ作業をしておくことをオススメします。